SIP詳細反応モデルが実用ガソリンの着火特性を高精度で予測できることを初めて実証!
ノック回避の鍵を握る低温酸化領域の着火遅れ計測を可能とした新型高圧衝撃波管装置を開発し(図1),実用ガソリン着火遅れの広温度域計測を行った。SIP共通レギュラーガソリン (SGR) の着火遅れは,対応するガソリン模擬燃料(S5R) と広い温度域にわたって一致し(図2),模擬燃料が実用ガソリンの着火特性をよく表していることを確認した。また,SIP詳細反応モデルを用いてシミュレーション計算した結果(図2, 実線)とも一致しており,同反応モデルは実用ガソリンの着火遅れを定量的に再現できることがわかった。
村井梨紗子
上智大学大学院
詳しくは:
村井梨紗子, 舘野弘樹, 高橋和夫, “加熱型高圧衝撃波管によるSIP共通ガソリン着火遅れの広温度域計測”, 第55回燃焼シンポジウム, 富山国際会議場, 2017年11月13日(月)~15日(水) にて発表予定
コメント
ガソリン模擬燃料用に開発されたSIP詳細反応モデルが,実用ガソリンの着火特性を広い温度範囲にわたって高精度で予測できることを本研究で初めて実証した。これにより,スーパーリーンバーンエンジン開発におけるノック予知・回避技術の確立に寄与することが期待される。
高橋和夫 上智大学 准教授