C2-C5アルケンの着火特性評価
ガソリン燃焼の中間体として重要な低級アルケンの着火特性を温度分布制御マイクロフローリアクタの微弱火炎で調べました。炭素数の増加に伴って着火性が向上する(より低温位置に微弱火炎が定在する)一般的な傾向に対して、エチレンの特異的な高着火性を見出しました。詳細な反応経路解析により、エチレン酸化過程で多量に形成されるC2H5およびC2H3ラジカルと酸素の反応により、多量のHO2ラジカルが形成され、これが全体の酸化反応を促進することを見出しました。
中村 寿
東北大学 准教授
詳しくは:
Shogo Kikui, Hisashi Nakamura, Takuya Tezuka, Susumu Hasegawa, Kaoru Maruta: Combustion and Flame, Vol.163, Issue 1, 209–219 (2016).
コメント 研究代表者:東北大学 教授 丸田 薫
本クラスターでは,独自の温度分布制御マイクロフローリアクタによる化学反応機構に関する研究を進めています。SIP標準ガソリンや,サロゲートの反応特性についても鋭意研究中です。