燃料のオクタン価がリーンバーンSIエンジンのノッキングに及ぼす影響
本研究では,5成分サロゲート燃料S5R,S5Hを用いた実験,計算より,希薄燃焼において燃料の組成が未燃ガスの自着火に及ぼす影響をLivengood-Wu積分により解析した.当量比0.5は,当量比1.0時と比べ着火遅れは長い.しかし,同じ熱発生率であると仮定し予混合気の比熱比の影響を考慮した場合には,当量比0.5の予混合気の方が未燃ガス温度の上昇が大きくなるため,着火遅れの影響をキャンセルする影響があり,またS5Hに比べS5Rでは当量比を1.0から0.5にした際に自着火のしにくさは大きくなることがわかった.
松井隆秀
慶應義塾大学大学院
修士課程2年
詳しくは:
松井隆秀,植田利久,飯田訓正:燃料のオクタン価がリーンバーンSIエンジンにおいてノッキングに及ぼす影響,第27回内燃機関シンポジウム講演予稿集,講演番号78(2016)
コメント
本研究は,時々刻々の未燃ガス温度,圧力に対して変化する着火遅れの履歴を3次元のマップ上に示すことにより,様々な運転条件において着火遅れの履歴を比較可能としたもので,未燃ガス自着火を理解する上で有用であると考えられます.
飯田訓正 慶應義塾大学 特任教授