SIP 革新的燃焼技術 ガソリン燃焼チーム

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乱流燃焼ダイアグラムを用いたスーパーリーンバーンSIエンジンにおける燃焼形態の検討

 

ガソリンエンジンの熱効率50%を達成するために当量比0.5以下のスーパーリーンバーンの実現が期待されるが,着火遅れ期間の長期化やサイクル間燃焼変動の増大が課題となっている.その現象解明のために、本研究では層流燃焼速度,火炎帯厚さ,乱れ強さ,積分長さスケールから乱流カルロビッツ数を推算し、クランク角の関数としてPetersの乱流燃焼ダイアグラム上にその推移を示した。スーパーリーン条件ではストイキ条件に比べて層流燃焼速度が低下、火炎帯厚さが拡大し(図2)、乱流カルロビッツ数が増大するため燃焼形態はThin reaction zonesの領域を推移する(図3)。

菅田健志
菅田健志
慶應義塾大学大学院

詳しくは:
菅田健志,李世埈,横森剛,飯田訓正:乱流燃焼ダイアグラムを用いたスーパーリーンバーンSIエンジンにおける燃焼形態の検討,自動車技術会2016年秋季大会 学術講演会 講演予稿集,No.1-177,2003-2007(2016)
菅田健志,李世埈,横森剛,飯田訓正:乱流燃焼ダイアグラムを用いたスーパーリーンバーンSIエンジンにおける燃焼形態の検討,自動車技術会論文集,48(4),801-806(2017)

コメント

スーパーリーンバーンは従来の火炎伝播とは異なり,Thin reaction zonesないしはBroken reaction zonesをとる可能性が示された.本研究で得られた知見は,スーパーリーンバーンの実現に貢献することが期待される.

飯田訓正    慶應義塾大学  特任教授